第3章

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…そんなこんなで、今に至るのですが この重苦しい空気は何… どうして沖田さん、付いて来るなんて言ったんだろう…。 私のこと、大嫌いなくせに 「茅奈…ごめんな。息抜きのつもりでつれてきたのに…」 コソッと申し訳なさそうに言う平助くんに、私はあなたのせいじゃないよという意味を込めて、首を横に振った。 まあ、だからといって沖田さんを責めている訳ではないけれど… 息抜きくらいさせてくれても良いじゃないか、と思ってしまう。 「なあ、総司。お前ほんとなんで付いてきたんだよ?」 平助くんは、クルリと後ろを振り返ると、強い口調で沖田さんに尋ねた。 鋭い目で平助くんを一瞥する沖田さんだけど、平助くんは動じない。 「…それは」 沖田さんは、なんだかよく分からない表情で押し黙る。 私と平助くんは、ただ何も言わない彼をジッと見つめていた。 通る人通る人、私たちを邪魔者のように見ていく。 というより、真昼間の混雑した時間に立ち止まっている私たちは正真正銘、邪魔者なのかもしれない。 痺れを切らして、再び歩き出そうとした時… 「そいつが、変なこと考えねえように…見張りだ」 少し視線を逸らせて言う沖田さん。 なんだか…様子がおかしい。 そんな気がするのは、私の勘違いなのだろうか。 「お、まえそれ…茅奈に失礼だろうが」 「あっ…私は……別に、大丈夫だよ、平助くん」 「関係ねえ」 私の言葉を遮るようにして、沖田さんの声が被さる。 私の声よりも大きい事もあり、私たちの間に沈黙が走った。 ザワザワと周りの雑音が聴覚をジャマする。
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