4人が本棚に入れています
本棚に追加
「断固拒否です」
「却下だぁ!」
緋色は手を挙げて言うと、新羅は人差し指を緋色に向けて言葉を打ち消す。
「今日からこのクラスの担任になる新羅だ! 知ってる奴も結構いると思うがよろしく頼む!」
新羅は黒板に名前を書いて、お辞儀をする。
「続いてみんなの自己紹介といきたいと思う。じゃあ一番後ろの窓側の席、紅井からだ」
緋色はゆらゆらしながら立ち上がり、ダルそうに自己紹介を始めた。
「紅井 緋色です。クラスは【狙撃手】、【刀剣士】、【剣銃士】の三種。よろしくお願いします」
「よし! 次っ!」
緋色が終わると、前の席に座っている真弥が立ち上がる。
「國比良 真弥です。クラスは【大剣士】、【操縦士】の二種。最近の悩みは緋色……“Scerlet Sniper”様に人として扱われてないことです」
「っ!? 真弥!?」
真弥は笑いを隠しながら、悲しそうな芝居をした。
するとクラスメイト達は一斉に騒ぎ始めた。
「え、紅井君って……あの“Scerlet Sniper”だったの?」
「かっこいい~!」
「あのケースって武器入ってるらしいぜ!」
「クラス対抗戦とか負けなしだな!」
新羅は溜め息をついて、すぅっと息を吸い込み大声で叫んだ。
「静かにしないかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
教室は一気に静まり返った。
新羅は真弥に指を差して、息を整えて口を開く。
「國比良、お前も放課後職員室だ」
「先生……俺今日デートで」
「先生、真弥に彼女はいません」
「よし……紅井、放課後職員室に来なくていい」
「この裏切り者ぉ~……」
「何、ちょっとしたお返しだよ。相・棒?」
緋色は舌を出して、真弥を見てやった。
真弥は肩をがっくり落として席に座る。
そしてまたクラスメイトの自己紹介が続いていった。
放課後。
一人ケースと鞄を持って緋色が向かう先は、学園内に五十ヶ所ある“クラスホーム”。
“クラスホーム”は生徒がそれぞれ選んだクラス、緋色ならメインクラス【狙撃手】の訓練や、他にも色々な施設がある集合施設となっている。
クラスを部活とするなら、クラスホームは部室のようなものだ。
規模は普通の部室とは比べものにならないが。
最初のコメントを投稿しよう!