第一話 緋色の狙撃手

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「断固拒否です」 「却下だぁ!」  緋色は手を挙げて言うと、新羅は人差し指を緋色に向けて言葉を打ち消す。 「今日からこのクラスの担任になる新羅だ! 知ってる奴も結構いると思うがよろしく頼む!」  新羅は黒板に名前を書いて、お辞儀をする。 「続いてみんなの自己紹介といきたいと思う。じゃあ一番後ろの窓側の席、紅井からだ」  緋色はゆらゆらしながら立ち上がり、ダルそうに自己紹介を始めた。 「紅井 緋色です。クラスは【狙撃手】、【刀剣士】、【剣銃士】の三種。よろしくお願いします」 「よし! 次っ!」  緋色が終わると、前の席に座っている真弥が立ち上がる。 「國比良 真弥です。クラスは【大剣士】、【操縦士】の二種。最近の悩みは緋色……“Scerlet Sniper”様に人として扱われてないことです」 「っ!? 真弥!?」  真弥は笑いを隠しながら、悲しそうな芝居をした。  するとクラスメイト達は一斉に騒ぎ始めた。 「え、紅井君って……あの“Scerlet Sniper”だったの?」 「かっこいい~!」 「あのケースって武器入ってるらしいぜ!」 「クラス対抗戦とか負けなしだな!」  新羅は溜め息をついて、すぅっと息を吸い込み大声で叫んだ。 「静かにしないかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」  教室は一気に静まり返った。  新羅は真弥に指を差して、息を整えて口を開く。 「國比良、お前も放課後職員室だ」 「先生……俺今日デートで」 「先生、真弥に彼女はいません」 「よし……紅井、放課後職員室に来なくていい」 「この裏切り者ぉ~……」 「何、ちょっとしたお返しだよ。相・棒?」  緋色は舌を出して、真弥を見てやった。  真弥は肩をがっくり落として席に座る。  そしてまたクラスメイトの自己紹介が続いていった。  放課後。  一人ケースと鞄を持って緋色が向かう先は、学園内に五十ヶ所ある“クラスホーム”。  “クラスホーム”は生徒がそれぞれ選んだクラス、緋色ならメインクラス【狙撃手】の訓練や、他にも色々な施設がある集合施設となっている。  クラスを部活とするなら、クラスホームは部室のようなものだ。  規模は普通の部室とは比べものにならないが。
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