天才と呼ばれた少年。

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僕の十四歳の誕生日に、母は腕時計を、父は懐中電灯をそれぞれプレゼントしてくれた。僕はそれで小型の時限式爆弾を作って同学年の友人の家に仕掛けた。彼は中指と歯の数本をなくした。 その事件はどうやら洗濯機の事故として判断されたらしく、僕に何か波立てがくるようなことはなかった。母も父も気づいていない様子だった。僕は少しだけ楽しんでいた。 完全犯罪をたびたび起こすようになったのは、思えばそのときからだった。
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