第一話 我ら、華流並高校弓道部!!

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春が過ぎ、この私──日之枝幸代<ユキシロ>は二年生になりました。一年生が入学し、仮入部が始まりました。 六月中旬、一年生はたった一人しか入らず、部活の活気も薄くなった。部活には気まずい空気が流れていた。 「………………」 道場に入ると、あまりにも嫌な光景を見てしまった。これは史上最大のピンチとも言える、状況だった。 私は先生に呼び出され、二十分遅れでここに来たのだ。 「こんにちは、先輩」 ヒョロとした体型に弱々しい表情をした後輩。弓道着があまりにも似合いすぎる。 私は一瞬後輩が可哀そうに見えたが、それどころじゃない。それは…それは─── 「なんで二年が誰もいないのよーー!!」 そう、弓道場には一年生以外誰一人もいないのだった。普通だったらもう部活が始まる時間なのに、誰もいないのは異常過ぎだ。 ──…頭が痛くなりそうだ。
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