一人と一匹の出会い

2/11
前へ
/11ページ
次へ
 ある日。僕の誕生日を祝うため、多くの金持ちが僕の為に遠路遥々、海に面する別荘まで着てくれた。  ここには世界を担う大物が勢揃いしていると言うのに、鍍金で塗り固められたような、有毒な嘘で満ち満ちている。  その嘘の一つがこの誕生会だ。  「貴守(きしゅ)くん!八歳のお誕生日おめでとう!」  「うん。ありがとうね」  少年は相手の完璧な外面に負けないくらい、紳士的で綺麗な作り笑顔で対応した。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加