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少年は少女が帰って行く最中、渡された花束の柄に目がいっていた。
「はいはい。セロハンにファンデの着いた手作り花束……」(イヤイヤ仲良くしろって親に言わんたんだろうな…)
残念な事にこの考えは十中八九当たる。それだけ貴守の家は、超が付く程の上流階級なのだ。
つまりどこの世界も、長いものに巻かれろだということだ。
こんな馬鹿馬鹿しい世界にまたうんざりしたのか、貴守は自分の誕生会を抜け出すことにした。
はぁー……
貴守は抜け出したが、皆が心配するのを期待し、塀の後ろで隠れていたが、来客者どころか両親すら、誕生会の主役がいなくなった事に気付いてすらいない。
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