一人と一匹の出会い

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 考えがいくら大人びていたとしても、貴守の心はまだ小学生と何ら変わらない、期待に夢膨らす単純なもの。  気が付くと貴守は無心のうちに、季節はずれな海を目指していた。  そこは、お世辞にも綺麗とは言えない、漁師のボロ小屋と、浜辺に打ち上げられている不細工な昆布とゴミしかなかった。  「ん?」  そんな浜辺からなぜか人の声が聞こえ、貴守は特に意味もなく、其方に歩き出していた。
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