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葵は大人しいけれど優しいお姉さんで、姉がいないミドリも本当の姉のように慕っていた。
だが、葵は入った高校でいじめに合ってしまい、高校を中退してそれ以来引きこもりになってしまったため、ミドリとも疎遠になってしまったのだ。
『葵ちゃん…いつになったら出てきてくれるんやろう。昔よく遊んでくれたのにもうずっと会ってない…』
とぼとぼとバス停までの道を歩く。
『また前みたいに遊ぼうよ…葵ちゃん…』
一度足を止めて振り返って固くカーテンが閉められた北條家の葵の部屋の窓を見てみてもカーテンが開くはずもなく、はあ…とため息をついてミドリは再び歩き出した。
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しかし学校に着けば朝のミドリの憂鬱など木端微塵に砕かれる。
「オハヨーミドリ!!今日の合コン7時からやからね!」
「おはよ。わかってるって~。今日はM学園の3年やっけ?」
「そーそー。イケメン来るかな」
「しっかし昨日の合コン大失敗じゃない!?」
「ほんまほんま!何アレ。自慢ばっか!!興味ないっつーの」
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