序章

3/5
前へ
/1222ページ
次へ
葵は大人しいけれど優しいお姉さんで、姉がいないミドリも本当の姉のように慕っていた。 だが、葵は入った高校でいじめに合ってしまい、高校を中退してそれ以来引きこもりになってしまったため、ミドリとも疎遠になってしまったのだ。 『葵ちゃん…いつになったら出てきてくれるんやろう。昔よく遊んでくれたのにもうずっと会ってない…』 とぼとぼとバス停までの道を歩く。 『また前みたいに遊ぼうよ…葵ちゃん…』 一度足を止めて振り返って固くカーテンが閉められた北條家の葵の部屋の窓を見てみてもカーテンが開くはずもなく、はあ…とため息をついてミドリは再び歩き出した。 **** しかし学校に着けば朝のミドリの憂鬱など木端微塵に砕かれる。 「オハヨーミドリ!!今日の合コン7時からやからね!」 「おはよ。わかってるって~。今日はM学園の3年やっけ?」 「そーそー。イケメン来るかな」 「しっかし昨日の合コン大失敗じゃない!?」 「ほんまほんま!何アレ。自慢ばっか!!興味ないっつーの」
/1222ページ

最初のコメントを投稿しよう!

113人が本棚に入れています
本棚に追加