プロローグ

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ある時。 仕事で地元に帰るから、お茶でもしないかと誘いがあった。 何度も往復したメールのやり取りで、武本さんに対する警戒心はなかったので、すぐに承諾した。 もちろんデートではない。 あるのは『興味』だけ。 待ち合わせの場所に現われた武本さんは、想像以上に普通だった。 丁シャツにジーンズと可も不可もない格好で、穏和そう。 あんなおもしろい文章を書く人には見えない。 たくさんの女を見ているせいなのか、すぐにわたしに気付いた。 お互いを確認した後、武本さんの車に乗り込む。
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