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「っ?!」
「あ…」
「フェイズ!」
魔王とディールが部屋の扉を開けると、そこには二人以上に驚いた表情で、フェイズが立っていた。
「ち、ちがいますよ!?決して盗み聞きしにきた訳では…!!」
「なんのことだ?」
「……」
(別にお前の事が信用できなかった訳では…!!)
(…絶対ェ信用してなかっただろ…馬鹿フェイズ)
魔王の後ろに立っていたディールは、責めるような目でフェイズを見た
もちろんそれは魔王には見えてなどいないのだが……
「二人ともどうしたのだ?いきなり黙って」
そんなことはつゆしらず、不思議そうに首をかしげる魔王に、ディールは……
「そんなことねーよっ★」
引き攣った笑みで魔王にそう言った。
(絶対怒っていますね……)
心の中で謝りながら、とにかく今は、とフェイズは恐る恐る魔王に問い掛けた
「あの…魔王様……」
「あぁそうだフェイズ!話があるのだ」
いつものように、嬉々として話す魔王を見て安堵しながらはい、と頷くと
魔王はディールとアイコンタクトをすると、フェイズに再び向き直って真剣に話しはじめた
その時折出る『魔王』の雰囲気を纏った深紅の瞳にフェイズは息を呑んだ
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