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男はぼくの肩を掴んで、無理矢理男の方に振り向かせた。
「……なんですか」
「いやなんですかじゃねぇから! おまえまず誰!」
「ニアです」
「ニアぁ?」
男はきいたことがない、というように、片眉をあげる。
男の容姿は、まるでミルクティーのようなクリーム色の髮。
紅茶のような紅い瞳は、黒いクマで少しくすんでみえた。
そんな瞳にかかる銀色の眼鏡。
ワイシャツに白衣を羽織ったその容姿は、なんだか人間っぽいような、そうじゃないような。
「不思議なファッションセンスですね」
「ほっとけ。で、おまえ何者だ?」
「ぼくは君の、そのミルクティーみたいな髮から君を、ミーくんと呼びます。
ミーくん、ここは何処でしょうか」
「いや質問してんの俺なんだけど!? 大体ミーくんてなんだよ!!?」
「うるさいです」
「わ、悪い……」
ミーくんは不満そうな顔をして、しかしだけれども黙った。
鳩さんとは違って、胡散臭い感じは、ない。
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