01:落下少女

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「………いや、つか、その、……マジで何者だよおまえ。悪魔……じゃなさそうだし」 ミーくんは、少し困ったような顔をしてぼくにたずねる。 が、ミーくんは、ぼくの方をみない。 「ミーくんは、悪魔ですか」 「ま、まあな」 「ではぼくは、ニンゲンです」 「嘘つけ、天井に穴あけて落ちてきて無事なやつがニンゲンなわけあるか」 ………? そういえば、ぼくには怪我がない。 いやそんなことよりも、またまた失敗だ。 「……こんなこと、普通ですよ」 そう。怪我がないことくらい、ニンゲンが無力なことと同じくらい、普通なことだ。 自殺をするにあたって問題だったのは、剃刀が肌を切り裂けないことにあたる。 昔からそうだから、きっと剃刀は肌が切れないようになっているのだ。 そんなわけでの飛び降り自殺も、まあ失敗なのだから、次はどうしよう。 「あのな。普通のニンゲンは、落ちてきたら死ぬんだよ。わかるか?」 「わかりません。それに、ぼくの場合は、君が、ミーくんがいてくれました」  
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