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「………いや、つか、その、……マジで何者だよおまえ。悪魔……じゃなさそうだし」
ミーくんは、少し困ったような顔をしてぼくにたずねる。
が、ミーくんは、ぼくの方をみない。
「ミーくんは、悪魔ですか」
「ま、まあな」
「ではぼくは、ニンゲンです」
「嘘つけ、天井に穴あけて落ちてきて無事なやつがニンゲンなわけあるか」
………?
そういえば、ぼくには怪我がない。
いやそんなことよりも、またまた失敗だ。
「……こんなこと、普通ですよ」
そう。怪我がないことくらい、ニンゲンが無力なことと同じくらい、普通なことだ。
自殺をするにあたって問題だったのは、剃刀が肌を切り裂けないことにあたる。
昔からそうだから、きっと剃刀は肌が切れないようになっているのだ。
そんなわけでの飛び降り自殺も、まあ失敗なのだから、次はどうしよう。
「あのな。普通のニンゲンは、落ちてきたら死ぬんだよ。わかるか?」
「わかりません。それに、ぼくの場合は、君が、ミーくんがいてくれました」
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