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そんなことをいうと、ミーくんは不意に顔を赤く染めた。
小刻みに震えている。
「ちッ! ……じゃあなんで落ちてきたんだよ」
なんだろう。
この反応……。
顔を真っ赤にして、多少舌打ちしたりしながら不器用そうにしゃべる、この感じ……。
「中学生の男の子みたいですね」
思ったことを、そのままミーくんに伝える。
話は聞いてなかったんじゃなくて、それよりもそこが気になっただけだ。
「はぁ? いいから、どうしたのか話せよ」
「悪魔なのに事情は聞くのですか」
「そりゃ魔界にいきなりセーラー服着たニンゲンが落ちてきたら事情くらいは聞くだろ」
………魔界。
………魔界か。
どうやらここは、鳩さんの言っていた魔界、という場所のようだった。
でもぼくにはまだ魔界がどんな場所を意味するのかわからないから、死後のセカイとして自殺が成功した、とは喜べない。
「ミーくん、魔界は、死後のセカイですか」
「はぁぁ?」
意味がわからない、というような顔をして、ミーくんはぽかんと口を開けた。
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