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「なんだそりゃ。……おまえらニンゲンのいう『地獄』じゃねーぞ」
「ではあの世、ですか」
「まあそっちに近いか……ってだからなんで落ちてきたんだよ?」
ミーくんはよっぽどそこが気になるようだったので、しかたなくぼくは簡潔に答えた。
「ちょっと飛び降り自殺しようとして鳩さんに助けられて、鳩さんを手違いで爆発させてしまいました」
「なっ……!!」
ミーくんの顔がみるみる青ざめていく。
あれ? 今度はツッコミないんですかね?
「どうかしましたか」
青ざめたまま黙っているミーくんに、ぼくは尋ねてみた。
さっきまであんなに元気だったのに……お腹でも壊したのでしょうか。
「………飛び降り自殺なんて、なんで」
「? キミもその理由が知りたいですか」
「いや、別に、おまえが話したくなかったらいい……けど」
鳩さんとは違って、ミーくんはどこか申し訳なさそうに呟いた。
ぼくは悪魔は、自殺を推奨しているものだとばかり思っていたけれど……ミーくんの態度はまるで、ニンゲンみたいだ。
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