01:落下少女

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―――痛くない。 ぼくはその事実を頭で認識してから、ゆっくり目を開けた。 「………そろそろ、退けろよ」 「!」 それと同時に、ぼくの下から、声がした。 あ、と声をあげてから、いそいそと身体を退ける。 下には、ぼくの下敷きになる形で、男が寝そべっていた。 「……いきなり何なんだよおまえ……。ヒトの部屋ん中に落ちてきやがって……」 男はいてて、と言いながらそのひどいクマのある目で、ぼくをにらみつける。 まあ気にならなかったので、ぼくは部屋の中をキョロキョロとあたりを見渡した。 そこは、周りには何台かのパソコンと、パソコンラックやゲーム機、テレビがあるだけの殺風景な部屋の中だった。 そして真上には、ぽっかりと、穴が空いている。 「……穴……」 「おまえが落ちてきた穴だぞ」 「落ちてきた――………ああ、そういえば」 ぼくは頷く。 先程、鳩さんを爆発させてしまい、再び飛び降り自殺したことは、まだ記憶に新しい。 「一人で納得してんじゃねーよコラ」  
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