進化合成2

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「やあ麗しの君。ご機嫌いかがかな?」 ペガサスが召喚されて数日後。 一応顔合わせはしたものの、相変わらずのペガサス独特の挨拶にウィスプは思わず笑った。 「ペガサス、君はユニークだね」 「ははは、それは照れてしまうな」 「誉めてはいないんだけど…まあ良いか」 ウィスプはペガサスに慣れていなかった。 だが毎日といって良いほど何故か自分の傍に寄ってくるので、蔑ろにも出来ないのだ。 そして困った事がもう一つ。 「麗しの。何事も自由気ままにするのが肝心さ。放っていれば何とかなる」 一日に一回は言っているこの言葉。 自由奔放、適当といったものは確かに大切だが、何事もという訳ではない。 何の意味があるのか分からないが、ペガサスは基本的に自由だった。 「そうだ。今から君だけに見せたいとっておきの場所があるんだ。一緒に来てくれるかい?」 甲斐甲斐しく片手を胸に当て、もう片方の手を差し伸べる。 「…ああ、良いよ」 エスコートされる姫君よろしく、ウィスプは困ったように笑ってその手を取った。 着いた先は大草原―――二人の故郷だ。 ペガサスその広大な草原の奥の、小さな花畑に連れて行ってくれた。 「此処はボクのお気に入りの場所でね。リラックスしたい時や修行には持ってこいなんだ」 「へぇ、良いところだね」 ウィスプは早速、花を優しく掻き分けて、そっと寝転がった。 優しい花の香りに包まれて、時おり風が頬を擽る。 ペガサスを見上げると、腰に装備していた矢の束から一本を取り出し、長弓を構えた。 ―いつもの飄々した顔から一変、凛とした真剣な顔で、弓矢を構える。 標的の握り拳ほどの大きさの石を狙い、ギリギリ…と張り詰めた弓。 手が離れ、高い風鳴りに眉根をしかめた直後、見事石の中心に突き刺さった。 「……、…」 思わず息を飲んで目を見張っていると、強くもあり優しい光を持つ瞳に微笑まれた。 ―まるでナイトのようだった。
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