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「ちょいまち」
彩さんは俺の腕をギュッと掴んだ。そしてズルズルと俺を引っ張り始めたのだ。
後ろから見る彩さんは大学生ってだけはあり、セミロングの黒髪がとても様になっている。だがお節介が酷いことだけは気に食わない。現に今、俺の自宅に勝手に上がり込んでいたのも毎日の事。
俺は女の子を背負い自宅に帰ってきた。すると彩さんがいて女の子を介抱した訳である。女の子は客室で横になって身体を休めさせてるのだが、中々目が覚めない。
そんな客室に彩さんは無理矢理でも俺を引き入れようとした。
「離せ!」
「嫌だ!そんな事より翼……あの女の子の素顔を見た?」
俺は足が止まる。何故なら俺が見たときは常にフードで頭をすっぽり隠していたからだ。
「いや、無いけどさ」
「んっふっふ……じゃあ今から見る光景を目に焼き付けなさい!」
彩さんはゆっくりと客室のドアを開く。そして俺は一瞬にして目を奪われた。
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