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「お前……怖いのか……俺が……」
少女は俺に視線を向ける。その時初めて視線があった。だが少女は視線をまた反らす。
「怖い訳……ではありません。ただ、訳があって……」
少女はすっぽりとフードを被った。そして紙にを取り出して何かを書き始めた。ペンが止まると同時に紙を俺に差し出す。その手はとても小さく震えていた……透き通る青い瞳に涙を溜めながら……
紙を受け取る。それと同時に少女は走り出し、止める間もなく家から去っていった。
「翼……あんた何かしたん?」
「いや、何もしてねーよ」
「だったらアソコまで嫌われる意味が解らないわ。取りあえずあの子に土下座して詫びなさい。そして死ね」
「彩さんこそ死んで下さい」
ギャーギャー叫ぶ彩さんを無視して手に持つ紙に目を通す。そこにはたった一つ……メールアドレスだけが残っていた。
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