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「オルァッ!」
ブンと振りかざした少女の身体は勢い良くコンクリートの壁に投げつけられた。
流石にこれはヤバい。考える前に俺の体は少女に向けて走り出した。が、遅かった。
鈍い音と共に少女は壁にぶつかり、崩れるように倒れたのである。俺は駆け寄った。すると血が額から流れている。
「やりすぎちまったか?それともトドメを入れておくか?」
不良は笑いながらゆっくりと近づいてくる。反省の余地なし。全くのクズ野郎だ。
何かに対する感情を無くしたはずの俺は怒りに包まれてきた。何故なら毎日のように父さんから言われていた事を思い出したからである。
「女の子には優しく、幼女、これ重要」
思わず呟いたこの言葉。これだけは少ない遺言のように捉えている。
だから……俺はコイツ等を許さない。
「テメェ等……一瞬で倒す!」
数秒後、俺は意識を失った。
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