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どれ位の時間が過ぎたのだろうか。
目が覚めると不良の姿は無かった。そして俺の手に暖かい温もりが感じたのだ。地面に寝そべっている俺は首だけを右に向ける。するとそこにはさっきの女の子が手を握っていた。フードをすっぽり被っている為か顔が良く見えない。
「……良かった」
俺が目を覚ましたからか、女の子は思わず呟いた。そしてゆっくりと倒れたのである。俺は女の子を抱きかかえ呼びかけ続けた。
「大丈夫か!?おいっ!?」
しかし女の子は目を覚まさない。ただ、額から血が流れる事だけは止まらず……
そうとなればやる事は一つだけ。女の子を俺は背負い、自宅に向けてゆっくりと歩き出した。ただ、降り注ぐ雪は頬を冷たく染めて……
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