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「……ここね」
一枚の紙切れを確認しながら一人の女性はとある小さな建物の前に立ち止まった。
ソコには『死神屋本舗第十三支部』と小さな建物に似合わない大きな字で堂々と書かれていた。
しかも、手書きである。
西村絵梨奈は何度も何度も手に持った地図の書かれた紙でそこを確認する。
「やっぱり、間違えなさそうね」
一人呟くと髪を整える為に、絵梨奈は一度荷物を下ろす。
黒い短めの髪を手を通じて、整える。そして、目の前のガラスに映る自分の姿をきちんと確認した。
キリっとした黒い瞳が鏡越しにぶつかる。化粧も薄めで、スーツも黒系で派手ではない。これから仕事に行くといった感じのバッチリした格好だった。
「よし」
一言、自身で確認し絵梨奈は勢い良く目の前のドアを開いた。
「――え」
まあ信じられないことにそこに広がっていたのは、携帯をする女子、お菓子を食べながらテレビを見る女子と言ったとても仕事場とは思えない残念な光景だった。
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