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少し歩けば
銀杏並木が近づいてきて
すぐ傍には
寄り添う恋人達が
かじかんだ手と手を繋ぎ
互いの熱を与え合っていた。
「…ハァ」
と息を漏らせば
白くなって消えていく。
消えたのは
『アイシテル』の言葉?
「…そんなん聞いてもしゃーないな」
俺はそっとポケットに
手を入れてまた歩きだす。
あれからどれだけ進んだ?
限りなくずっと
傍で寄り添った時間。
また明日を
歩いていく俺。
あの日誓った
永久の愛を祈って今も…
夜空を舞う雪が
『なんで、博貴やねん』
『なんで、他の奴じゃないねん』
そんな黒い気持ちを
白に染めて
背中を押してくいく。
その手が博貴みたいで
いつまでも雪を
見つめてた。
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