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失った日。失った恋。
ひなが恋しくて
想い出辿るように
一人きりただずむ浜辺。
「ひな…」
淋しくて涙が溢れて
波音だけ騒いでた
一滴海に溶けた涙
切なくてひなを想うよ。
黄昏と柔らかな波が
あの日のひなを連れてくる。
「…別れようや」
「え?」
「せやから、別れようや」
「い、嫌や。なんでや!」
デートの帰りによった海で
俺はひなに別れを告げた。
「…ごめん」
「…っ!!なんやねん。他に好きな人でもできたかんか?」
「……」
「そうなんやな。俺じゃダメなん?」
「…」
「もう好きじゃないん?」
強い雛が震えていた。
「もう2人では二度と会えんの?」
「……」
「何か言うてや」
涙をこらえながら喋る雛。
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