I to U

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俺が不安で 潰れそうなときは 「俺は横が好きや。せやから不安にならんといて!!」 って包み隠さないような 光が宿る君の瞳は 「…っ!!ごめんなぁ」 嘘がなくて僕に勇気を 与えてくれていたのに… 「横?…本当のこと言ってや」 「好きって言っとるやろ!!」 気付いたら 雛が好きというよりも 独占したくなっていて 雛が不安になるたび 『好きや』と嘘をついた。 「横…?」 それでも不安げな雛を 「黙れや」 「…ンッ…ヤァ」 独占したくなるたびに 秘密だらけの体重なった。 そんなある日。 朝なのに光が届かなくて ふと隣を見ると 雛は何処にも居なかった。 「もう雛は愛してくれないんやな」 目を閉じる 浮かんでくるのは 俺らを繋いでいた 『愛してる』 という言葉も 今はただ空しいだけ。    
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