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「…横がな最近おかしいねん」
雛の相談を聞く俺。
純粋に横を思う雛の
見つめた瞳にうつる俺は
雛にとっては
信用されたベストフレンド。
そんな肩書き
外してしまいたくなる
「…それでなぁ?…ってすばる聞いとる?」
「あぁ…雛が嫌なら別れたらええんちゃう?」
いつしか相談も上の空
そのくせに身勝手に
なりきれない。
ズルいのは俺。
窓から外を見上げれば
雨が降っていた。
「したら、すばるまたなぁ…今日はありがとうな」
「おん…」
雛と別れて
よくわからない電車に乗る。
窓の外を過ぎていくのは
色とりどりの傘。
それが混ざり合って見えた。
「…丸」
電車に乗り、
家の近くの駅で降りる。
目指す駅は丸の中
ぬくもりを確かめたい
…なんてな。
近くにとめてあった
自分の車に乗り込み
家とは反対方向を目指す。
「…丸」
そう、会いたくて
仕方かがなかったから。
「…会いたい」
スピードを上げる。
ハンドルを握り締める。
衝動に任せ
ただ、君に会いに行く。
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