第2章

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もう、それは酷いもので 私と妹が見ている時に全力の喧嘩。 昔は、3ヶ月に一度くらいのペースで喧嘩がおきていた。 最初は、父が母に怒鳴るところから始まる。 私と妹は、耳を押さえて目をギュッと瞑っていた。 『そのうち、終わるだろう』と 私は、止めもしなかった。 凄く怖かった。 けれど。 母が興奮して包丁を取り出した。 「はっ」と、我に帰るような気持ちになった。 妹は泣きじゃくる。 私だって怖いのに。 けれど、妹の姿を見ていたら、 『自分は姉だから、しっかりしなきゃ』 という、気持ちになった。 真奈「お、姉ちゃん、ママと…っ パパ…っ、止め、てくるねっ…」 (妹)真由「うんっ…」 泣きながら2人とも言うので、 言葉も、途切れ途切れになる。 そして、私は立ち上がり、 母達の居る、リビングへと近づいた。 そこでは、包丁を母が持ち、父がそれを押さえていた。 「ママっ…!」 慌てて、母を呼んだ。 けれど、必死なのが分かる。 私の声など聞いていない素振り。 ガタガタと、色々な壁にぶつかってゆく。 『このままじゃ、父と母のどちらかが警察に捕まっちゃう。 そうしたら、私は施設に行く事になってしまう。』そう思った。 ドラマでそんな所を観たことがあって、知らない所に行きたくないと自分の行く末しか考えていなかった。 父母が死ぬ関係なく、自分の身を守る為に行った。 思いっきり大声を出して、止める。 とは、言っても 2人は暴れており 更に包丁があるから、危なくて近寄れなかった。 真奈「やめてよっ…!子供が居るの、に…っ、何でそんな事するのっ!!」涙を流して訴えても、 父と母は私に眼中などなく、 私は、母に馬乗りになっている父を叩いた。 けれど、刃が向いているのは、父の方で。 父「叩くなっママが悪いんだぞ!」 確かに、母が悪い事なんだと分かっていた。 包丁を出したのは、いつも、母だったけれど 大好きな母だったが為に、責め立てる父を 私は、責めた。 まだ、子供だったの。あの時は。 『今も』だけれど。 だって…、大人に反抗出来るような年じゃなかったんだもの。 母の言う事は全部丸呑み。 母に反抗はあまりしなかった。 「おじいちゃん、おばあちゃん呼ぶからね!!」 大声で言った。 慌てて、父母は私の行為を止めようとする。 正直、その時はそうしてくれて、ほっとした。
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