第1章

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元々、人見知りだった私は、母がいないと すぐに泣いてしまうような子だった。 けれど、自分のしたい時に したい事をするという、少しマイペースな性格で 自分から同じ組の子とは遊ばないし、誘われても なかなか一緒に遊ぶ子じゃなかった。 と、言っても1人の子に何度も誘われただけだけれども。 『ちょっと、しつこくて嫌だな』と、当時は思っていた。 家に帰って、母に「お友達の名前、覚えた?」と、聞かれると 「ゆめちゃん。」としか覚えておらず、その母の問いに対して、私は毎度同じ答えを出していた。 それが、1ヶ月くらい続き、 私が新しくお友達の名前を覚えて言わない限り、聞かなくなった。 と、言っても、入園してやっと3ヶ月目に二人目の名前を覚えた。 二人目に覚えたのが『香奈ちゃん』だった。 その子は、先程のしつこく遊びに誘って来る子で、あまりのしつこさに名前を覚えた私。 以後、その子とは幼稚園のホールで毎週やっているモダンバレエで 放課後、六年間一緒に習う事になる。 長く付き合っていても、親友とまではいかなかったが。
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