第三章

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「あ……わ、私はドゥーガ=マークレイの娘で、ローラと申します」  ペコリと頭を下げたローラを、マリーとエドガーは驚いて見ていた。 「……マークレイ」  消え入りそうな声量で呟いたマリーを、ローラは不思議そうな顔をして首を傾げた。  二人の気持ちはよく分かる。  民を虐げる筆頭貴族と言っていいマークレイ家のひとり娘が、こんなおっとりした性格だからなー。 「おや? これはこれは。フィリアスの領主ではないか」  と、俺達の後ろでやかましく談笑していたドゥーガが割って入ってきた。 「お久しぶりです。ドゥーガ殿」 「……ふん」  ふんぞり返り、ドゥーガは挨拶をしたエドガーに冷たい目を向けた。  そして、表情は一転し優しい眼差しになり、ローラへと顔を向け、 「ローラ。私は少し話しがあるから、席を外してくれんか?」  と、聞かれたくない話しをするのだろう。追い出すように言った。 「……はい」 「すまんな。 ルーク、ローラを頼むぞ」 「かしこまりました」  状況が理解できてないローラを促し、俺はその場から離れた。  ふむ。  フィリアス家……か。
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