第三章

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 うん?  ニトル君を見ていたら、目が合った。  彼は、怯えたように隣にいる父親に摺り寄り、顔を背けた。  ガキかお前は。  つか、父親の顔……ニトル君にそっくりだ。  息子の異変に気付いた彼は、俺を見付け、凄まじいまでの憎しみを孕んだ目で睨んできた。 「……どうしたの?」  不意に声を掛けられ、俺はハッとした。  ローラのダンスの相手探してるんだった。 「いえ、なんでもありません。 さて、どうしましょう……」  俺が途方に暮れている間、周りは着実にパートナーを作り、ダンスを始めていた。  そんな時。 「マークレイさん。僕と一曲いかがですか?」  適当にあしらった猿のひとりが、懲りずにやって来た。  不意に話し掛けられたローラは、ビクリと肩を震わせ、俺の背後に隠れた。  瞬間。  猿は邪魔者を見る目で、鬱陶しそうに俺を見た。  つか、俺は悪くないだろ。 「ローラ、いい相手がおらんのか?」  あしらおうとした時、ワイングラスを片手に、ドゥーガとゾイルが現れた。 「悪いが、ローラは嫌らしいのでな。諦めて他を探せ」  同じ貴族でありながら、ドゥーガは思い切り上から猿に物を言った。
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