第三章

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 おずおずと前に出て、深々と頭を下げた。  その行動を見たマリーは、目を丸くした。 「あ、いや……気にしなくて良いわよ」 「はい。これからもよろしくお願いします」  ローラはスッと右手を差し出した。握手かな?  マリーも面食らったままの状態で、「こちらこそ……」と、その手を握った。  二人が仲良くなっても、ドゥーガがうるさいだろうな…………ん?  握手?  その手があったか! 「……では、私もお嬢様の執事ですので、これから何かとお会いになる機会もありましょう。よろしくお願い致します」  ローラに続き、流れが止まる前に右手を差し出した。  案の定、マリーは拒否することなく、俺の手を握った。  よし。これで良い。 「では、そろそろ私達は旦那様の元へ戻りますので」  ペコリと頭を下げて、「失礼します」と、ローラを促してその場を後にした。  ドゥーガの元へ戻る際、うざい猿共に囲まれたのは言うまでもない。
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