第三章

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 と、思ったものの、マークレイ関係者が背後にいるのでしない……いなけりゃ嬉々としてやるけど。  カマかけてみるかな? 「それはそうと、パーム家はやることがホント、野蛮ですよね」  ピクリと刺客の表情に本当に小さな反応があった。  よし。もう一息だな。 「あの息子はバカですから、父親もバカなんですかねー? いやはや、あの一族はアホばっかり……」 「──黙れっ!」  凄い睨んでます。おお怖い怖い。 「おや? どうしました? どうして貴方が怒るんです? 怒るということは、パーム家の方なんですか?」  刺客は、しまった! という顔になり、顔を伏せた。 「まぁ、初めから分かってましたけどね。 あのバカ親子に帰って伝えて下さい……」  俺は刺客に顔を近付け、『次、妙なことをしたら潰す』と言付けを言い渡すと、刺客は無言で首肯した。 「……よろしい」  俺は立ち上がり、刺客の脳天に踵落としをして気絶させ、馬車へ戻った。
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