第四章

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     ◆ ◆ ◆  カチャカチャと小さな音を立て、朝食を食べている。そんな中で、エミリアが不意に聞いた。 「いつも思うけど、マリーって貴族よね?」 「何よ急に」 「質素だなーと思ってね」  キョトンとした顔をエミリアに向け、 「うちはネルミラの貴族一の貧乏だから仕方ないのよ」  と、自嘲気味に笑う。  続けて、 「そもそも、裕福になりすぎるのは考えものだわ」  と言う。  その発言にエミリアは、「そうね」と同意し、 「その土地を治める領主が裕福になりすぎて、民を虐げるなんて最低」 「ええ。最低だわ。 ……でも、この国は、王族を始め、殆んどの貴族がそうよ」  マリーはそう言い、苦虫を数匹噛み潰したような顔になる。  お互いに、朝食を取る手が止まってしまっている。 『そんなお偉いさん方の状態で、よく国が保ってんなぁ』  エミリアの隣の椅子に、足を投げ出した形で座っていたフェイトが話しに割り込んできた。 『他国から攻め込まれてもおかしくないだろ?』 「それは大丈夫よ。国境に国一番の精鋭部隊を送ってるから」  マリーは、「私の領の兵士なんだけどね……」と付け足し、憎々しげに唸った。
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