第四章

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「うちは、民から税をあまり取らないから貧乏で、国に納める税が少ないから、周りの貴族からバカにされ、いつ潰されてもおかしくなかったのよ。 だから、潰されないようにするには、腕の立つ兵士を送り出して国に貢献するしかなかったの」 『フィリアス家の兵士って、そんなに強ぇのか?』  マリーと目線を合わせるのに机が邪魔なのか、フェイトは椅子の上に立ち上がった。 「それ、あたしも気になる」  フェイトの質問に賛同し、エミリアは「どれくらい強いの?」と聞く。  マリーは、「そうね……」と顎に指を添えて暫し考えた後、 「うちの隊長個人の実力なら、ネルミラ王族のお抱え兵士並みに強いから……ネルミラの貴族がそれぞれ持ってる兵士よりは遥かに強いわ」  と、誇らしげに言った。 『そんなに強ぇなら、なんで王族に仕えねぇんだ?』 「うちの兵士達は、平民上がりばっかりだから、仕えるならフィリアス家以外は嫌だって言ってたわ」  それを聞いたエミリアは、ロバート家とフィリアス家は似ていると思った。  民に慕われ、国で孤立している立場があまりにも似すぎていた。 (お兄ちゃんが『フィリアス家に行け』って言った意味がやっと分かったよ)
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