第四章

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 マリーは思う。  踊る相手がいない私が、この舞踏会に参加する意味はあるのだろうか? と。  ふう、と溜め息を吐き、ぼんやりと踊っている貴族の坊っちゃん達を見ていると、ある一組に目を止めた。 (あれはローラ……って、ええ!?)  ローラがぎこちない動きながらも踊っている。  しかし、驚いたのはそこじゃない。  一緒に踊っている相手に驚いたのだ。 (確かあの人、彼女の専属執事のルーク=ロバートよね?)  貴族同士で踊るのが普通なのにどうして? と考えながら見ていると、マリーはルークと目が合った。 (こっちに来るんだけど)  曲も終盤に掛かった辺りで、ジワジワと寄ってくるルークに何故かマリーは焦った。  程なくして、マリーから数歩離れた位置でルークは止まり、丁度音楽も終了した。 (……どうしようかしら?)  声を掛けようか悩むマリーだが、周りを見渡してドゥーガを探す。ここから死角になっているのが分かり、ローラとルークに近寄り、思い切って声を掛けた。 「ねぇ、ちょっと良いかしら?」  それから少しの間、マリーはルーク達と会話した。  分かったのは、ローラに相手がいなかったため、執事であるルークが相手をしたとの事だった。
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