第四章

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(ローラがどうなるか……それは、君──フィリアス次第だよ) (意味が分からないわ)  ルークの言に理解が出来ない。 (俺がマークレイ家を潰した後、マークレイ領をフィリアス家に吸収して欲しいんだよ)  マリーの思考は一瞬停止した。  フィリアスがマークレイ領を吸収するということは、フィリアスの領地が拡大することになる。  それは、ネルミラ皇国で最大になることを意味していた。 (あなたがマークレイを潰す理由はなに?) (それはね……)  ルークは、自身の出身を伏せ、ニーナと関わり、マークレイを潰すことを決意した経緯を話した。 (……って訳で、我慢ならなかっただけが理由かな) (そうだったの……)  マリーは少し悩む。  彼が潰した後、マークレイ領を吸収して無事でいられるのだろうか、と。  そもそも、マークレイの民は喜んでくれても、マークレイに仕えている兵士や使用人は?  散々、甘い汁を啜った連中を御するのは無理だ。  そう結論に至り、 (無理よ)  と返答した。 (マークレイの兵士や使用人を御するのは、とてもじゃないけど無理よ) (兵士も使用人も教育し直せば良いんじゃないかな?) (そんなに簡単じゃないわ)
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