隣に住むのはお嬢様!?

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ピンポーン インターホンが鳴り、誰も出る気配がないので、和貴は渋々来訪者に対応しに玄関へと向かう。 (誰か出てくれればいいのに) 「はぁーい」 ドアを開けると、いかにも執事ですと言った格好をしている初老の男性がいた。 男性は丁寧に頭を下げた。 「突然の訪問、誠に申し訳ございません 私の主が貴方にこれを渡すように、と」 執事っぽい人は、胸の内ポケットから小さな手紙を差し出してきた。 「はぁ」 和貴は静かに受け取り、外側を隅々まで確認して訊ねた。 「あの、差出人は誰なんですか?」 執事の人は眼鏡を一度直して答えた。 「その答えは貴方が入学することになる高校に行けば必ず分かります」 執事の人は一礼して、乗ってきたであろう黒いリムジンに乗り込んだ。 黒いリムジンは、執事を乗せると、音もたてずに発進した。 「何だったんだ?」 後で気付いたことだが、家には和貴以外誰一人としていなかった。
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