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「隊長!?」
「お前達は陣形を維持したままついて来い!!」
部下に短く命じ、鎧騎士はさらに速度を上げた。
「間に合え……!」
ヘルムの中で呟き、長剣の柄に手をやる。
その時、鎧騎士の視界に、魔物の向こう側にいる人影が映った。
この距離ならば、あの人影も魔物に気付いているはず。
だがその人物は逃げもせず、それどころか魔物の前に立ち塞がった。
いくら傷を負っているとはいえ、魔物は魔物。
決して常人の手に負えるものではない。
「逃げろっ!!」
鎧騎士が声を張り上げると同時に、魔物が立ち塞がる人物に飛びかかる。
舌打ちと共に鎧騎士が長剣を抜き放とうとしたその瞬間──
パチンッ
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