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僕の青春はとっくの昔に死んでしまっていたのかもしれない。
『変態』。
この言葉には他に代わりがあるかもしれない。
が、しかし、オリジナルではないんだ。過去の偉人だって、誰だって、そうみんなが知っている定義で成り立っているんだ。
そんな言葉の重みを我が高校の生徒達は僕に当てるんだよ?
分かるかい? その意味が。
まるで僕の存在が既成された物みたいじゃないですか。
僕の青春は『変態』に収まる程、低容量で過去にあったものなのか?
いや、違うだろ?
僕はオリジナルの僕を欲している。自分のみが知る、他人に定義されない人生観が欲しいんだよ。
夏の夜。
だから、僕は既成された自分を破壊するために彼女に話し掛けたのかも知らない。
死んだ青春。
まだ、取り返せるよ、と始まった懊悩する僕ら非青春人の挽回劇がその瞬間に始まった。
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