002  A secret byte and a kitten

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「何でもねぇよ」 燈李はそれだけ言うと 僕に背中を向けた 何でもないわけがないと思うけど ………まあ、いいや 話さないって事は今聞いても 無駄だと思うし 「そう、なら家帰ろ?」 戸締まり確認も終わったし 後はここの電気を消すだけ 「あぁ」 電気を消して 家に繋がるドアを開けた 「ただいま」 「あっおかえり日和っ」 奏汰は無邪気な笑顔を浮かべ ぎゅうと僕を抱き締めてきた ………なんともない ドキってこない 心臓も早くない、至って普通 「お疲れさま」 ソファに座ってた 琥珀もこっちまできて 僕の頭を軽く撫でた 「ありがと」 奏汰を離し 琥珀にお礼を言った 足に何かが触れる感触がして 下を向くと子猫が足を舐めていた ………可愛い 猫を抱き上げ ぎゅうと軽く抱き締めると 右斜め上からクスッと笑う声がした チラッと見ると 燈李が僕を見て何故か微笑んでいた ………何がおかしいのかな? 僕の視線に気づいたのか 燈李が口を開いた 「わりぃ 猫見てるお前の顔が 可愛かったからつい」 …………可愛かった? なにそれ…可愛いとか嫌なはずなのに 嬉しいって思っちゃう僕って…… なんか、変だよね  
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