003     A storm is suddenly?

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自分のお茶碗に ご飯をよそいあの子に渡した 「はい、これくらいで大丈夫?」 「うん、大丈夫だよ」ニコ …嘘臭い笑顔 自分がよくする笑顔だから 作り笑顔とか見破るのは得意 僕はあの子から視線を外した その瞬間後ろから パリーンっという音がしたから 後ろをまた振り向くと あの子があろうことか 僕のお茶碗を割った 「あ、ごめんねぇ 手が滑っちゃった」 てへっとおどけてみせるそいつ てへっ…じゃないんだけど それ僕のお茶碗で 父さんからの初めての…プレゼント 小さい頃に皆でお揃いのお茶碗って 買ってくれたお茶碗なんだけど ………お前の頭を割るぞ 「…………殺すぞ」 シーンとした空間に響いた僕の一言 「……ひーより」 よしよしといつもの笑顔で 頭を撫でてきた奏汰 「ひよりちゃん怖いよ燈李ぃ」 ひよりちゃん?? 「………邪魔」 お前が邪魔で 割れたお茶碗拾えない とんっと軽く押すと なぜか大袈裟にこけるそいつ ………あ? 「痛いよ日和ちゃん とぉりぃ」 何その甘ったる声 「うるせぇ 俺拾うから日和触んな 手切れたらあれだろ」 燈李は僕の腕を掴み 僕が破片を拾うのを阻止してきた そんなにドジじゃないんだけど  
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