003     A storm is suddenly?

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拾うのを燈李に任せ プラスチックで出来たお茶碗を あいつに渡した 「ありがとう燈李」 「あぁ」 「……燈李指切れてる」 僕よりは燈李のが ドジじゃんか 燈李の指を パクッと口に含んだ 「日和!?」 「消毒 ちょうど消毒液きれちゃってるから」 戸棚から救急箱を取りだし 絆創膏を指に貼った 「ありがとな日和」 「いいよ別に」 「………とーり」 「なんだよ」 燈李はだるそうに あの子にこたえた 「その子燈李のなあに?」 笑顔でいるけど 目が笑ってない 「戸籍上兄弟だ」 「……ふーんそっか ねえ日和ちゃん」 「……なに?」 「僕燈李の恋人だから 燈李にちょっかいださないでね」ニコ 燈李の……恋人? 「へぇ、初耳なんだけど燈李 燈李ってこんな奴を恋人にする 趣味もってたんだね」 奏汰はいつものニコニコスマイルのまま ちくちく毒をはいた 「なわけねぇだろ 嘘ついてんじゃねぇよ」 あぁ、嘘だったのか 「ちゅうしたなかじゃん」ニコ ちゅう? 「あ?してねぇよ」 「………ほらいました」 あの子はぐいと燈李の 腕をひっぱりチュッと軽く 頬にキスした ………………なんだろ 何で息がしにくい? 何でこんなに辛いんだろ  
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