知らない、知らない。

2/4
前へ
/40ページ
次へ
出会ったときから、その存在だけが少しだけ輝いて見えていた。 手に入れたくて、手を伸ばしたら応えてくれた。 それは本当に「天にも昇る」ほど嬉しかったんだ。 手を繋いで歩くことが当たり前で幸せで。 周りも羨む位の僕たちだったのに。 「好きなのはあなただけだから」 組み敷かれたその下から、女の目が艶やかにいう。 信じたい。 信じたかった。 それでも、あの眩しい笑顔も振舞いも、もう僕だけが知っているものじゃ無いということに、激しい感情を覚えずにはいられない。 .
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加