知らない、知らない。

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「もう、喋るな」 そう言って逃げられないようにきつく絡めて手を握り、 窒息してしまえと云わんばかりに、その口を塞いだ。 痛い、と眉根を寄せているのを知っていても、止めようとは思わない。 寧ろ煽っている。 態度とは裏腹に、開かされていく身体の感度と奥のほうに、 彼女はどんな思いなのか、それを考えただけでも、僕の何かが満たされていくのがわかる。 そんな風に思ったことも、ましてやそれを行為として現したことも、今まで一度も無かった。 ただ僕をこうさせているのは、彼女の存在であり、 彼女に対する僕のとてつもない深い想いからなのだと、 sadisticの中から見出した、狂気にも似た愛情。 「どうしてこんな風にしているか、わかる?」 鳴いている彼女に、 泣きそうな僕が聞いた。
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