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話をまとめると──要は俺を異世界へ転生してくれるらしい。
それも俺の好きな条件で。
例えば、剣と魔法のファンタジーな世界に、あらゆる能力を最高レベルで使いこなすチートキャラとして転生することもできる。
ただし、元の世界にだけは転生できない。
それどころか、転生した時点で元の世界からは【俺】という存在概念が消失する──最初から【俺】は存在しなかった事になるらしい。
色々と思うところはあったが、訳あって肉親と呼べる人間はいないし、恋人がいるわけでもない。
心残りといえば、数少ない親友達に別れを告げられない事ぐらいか。
神「ちなみに、転生しないで元の世界に戻った場合、貴方は交通事故に遭って即死です」
男「なん……だと?」
神「私だって、ただ闇雲に貴方を選んだわけではありません。寿命以外での死の運命にある人間の中から貴方を選んだのですよ」
そういう話なら是非もない。
俺は転生させてもらう事にした。
それから、転生先の候補となる世界を俺に分かりやすいように一覧表示してもらい、俺は一つ一つ吟味していく。
ちなみに、世界はそれこそ無限に存在する為、俺の趣味嗜好に合わせて、あらかじめ候補数を絞ってくれている。
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