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「ジリリリリリリリリリリリリリリ」
「・・・」
音が切れたのが分かる。
そして母は動き出す。
台所を出て廊下に出た。
そこから階段を上がり、上りきったら左から三つ並んだドアの中央の部屋が彼の部屋だ。彼の母がいるその空間、そして彼の部屋は静かだ。
「・・・」
「はー、っとにもう!!」
彼の部屋のドアは激しく開けられた。
「・・・」
起きない。起きようとしない。彼の現状だ。そんな状態を母は許さない。
「いつまでも寝てるな!!」
そう言って布団をめくり上げた。彼はうずくまって今だ寝ている。さすがに母もこれには呆れ果てた。それでも揺らして起こした。そして、
「ごはんできてるから早く食べて学校行きなさい。」
そう言って母は台所に戻っていった。
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