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あなたがほしかった
あなたはいつも遠いところにいた
追いかけても追いかけても
どんどん離れていくばかりだった
どうすればあなたに近づけるのかがわからなかった
どうすれば側に寄ってきてくれるのかも
だからといって
それを考える余裕はなかった
ただ一緒にいるだけでよかったから
でも
少しずつ変わっていった
ただ一緒にいるだけでは物足りなくなった
もっと色んなことを求めるようになった
しかし
求めるばかりで何の解決にもならなかった
だから
一体彼とどうありたいのかをもう一度考え直すことにした
そして出した答えは…
【この手で彼の心を掴みたい】
それからは変わった
彼の話に積極的に耳を傾け
今まで目を向けなかったことにも興味を示した
彼の話す言葉が私の心に染み渡り
どんどん馴染んでいった
それがすごく心地好かった
何か彼の心をこの手で掴んだ気がした
いつも強そうな彼の心はえらく震えていた
人恋しさに震え
不安に震え
早くこの心を掴んでほしいといわんばかりに
彼の心は小刻みにガタガタと震えていた
だから
この心は離すまいと心に誓った
【何があってもギュッと掴んで離さない】
そう固く心に誓った…
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