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「もう食べられないよぉ…」
どこの漫画にも出てきそうな在り来たりの寝言を、むにゃむにゃ言っている優くんの寝顔は、とてもかわいかった。
「最後に全校生徒で校歌を歌います。みなさん立ってください」
この学校では式典の終わりには、必ず校歌を歌うという一種の決まり事があり、もちろん始業式にも歌うのだ。
指揮者と伴奏者が舞台に上がり、お辞儀をしているにも関わらず、優くんはスヤスヤとまだ夢の中にいたのであった。
「優くん、起きて。校歌が始まるよ」
そう言って優しく肩を揺すってみたが、まったく起きる気配はない。
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