始まりは病室の名無し

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「悪いね。それは許されない行為だ。君が保有するβウイルスは既に変態を終えてγウイルスに変貌している。」 男にとってそれは聞き慣れない言葉 初耳と言って言い程の謎の言葉だった 自分が得体の知れない何かに侵されている? 「ベータとかガンマとか意味わかんねぇけどウィルスってどういう事だよ!!」 俺は死ぬのか?此処で殺されなくてもいずれウィルスで死ぬ? 男の混乱は深みに嵌まる 「君のウイルスの変貌先がαウィルスなら歓迎したのだけれどね。」 鈴の様な音が響く 「だがそれはもう変わらないから君の行き先は死有るのみだ。」 申し訳無いけれど と影は男に聞こえない声で呟きながら 「君の心臓を頂く。」 コートの裾を上げる 黒いブーツが踏み締められコツコツと音が鳴る 近づく影 忍び寄る恐怖 首筋に突き付けられた死 「たた…助け……!?…」 其処には有るはずのものが無かった 立って移動する行為に必要不可欠なもの ブーツの切れ目から太股までの脚が 「ばばば化けものぉ!!」 「あながち間違いじゃないね、化け物。だが、君に私の脚が見えて居ないことがウィルス感染者だと言う証拠だよ。」 何故なら一般人には私の脚が有るように見えているからね 気付けば目の前 影は耳元でそう呟く 「サヨナラ。」 「さささよなr……あ"あ"あ"あ"あ"あ!!おれのぉぉしんぞぉぉぉぉ?!?!」 男は息絶える 己の心臓を得体の知れない何かに貪られて居るのを視認して
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