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くだらねぇ…。
「よくきけぇ!!今日、世界撲滅委員会より、この蒼の都を撲滅するとの予告状が届いた!」
今までも、何十枚も届けられてきたろ…。
「アイツは、俺達を完全になめてやがる!だから今日こそアイツを捕まえて血祭りにあげるのだっー!下等な人間なんぞに俺様達が負けるはずはねぇ!」
下等なのはお前らだ…。
「「おぉーーー!」」
いつまでたっても、たった一人の人間を捕まえられない。
「いいか、アーサー!余計な事はするなよ?半獣ごときが出来ることなんてねぇからな」
「っ…、わかってる…」
「ならいいぜ、アーサー」
俺に話し掛けてきたのは、ラジフ
獣人兵士団の指揮官だ。
こいつは無能だ。
けれども、この世界では、獣人が人間より強く、有能であると考えられている。
俺は、晴れ渡る空を見つめながら、この世界の不条理さについて、考えに更けていた。
この世界は、「獣人と人間」と言う二種類が暮らしている。
「人間」は、一番下等な生き物で、次に「獣人」、そして獣人の中でも位の高い「獣貴」、さらにそのうえは、獣貴以外は、姿さえ見ることを許されない、「四獣聖」がいる。
まぁ、俺は人間でもなく、獣人でもない、「半獣」だ。
父が獣貴で、母が人間だった俺は、半獣としてこの世界に生まれた。
人からも嫌われ、獣人にも嫌がられる、俺は嫌われものだった。
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