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「……だったらどーすんの?」
いきなり壁が現れた。
身分の差。
これは生まれが全てなのでどうしようもない。
ミルガントの説明を聞いて、ちょっぴり絶望をシレンは味わった。
だが、もとから無理な話しならミルガントはこんな話しは切り出さないだろう。
ミルガントはそんな無駄なことをする男にはシレンは見えなかった。
「王都に入れるのは、商人、貴族、または公的な立場を持っているものとその同伴者ぐらいだ。
ギルドマスターとかね。」
そこでミルガントは話しを切った。
「じゃあ、ミルガントさんが王都へ連れてってくれるのか?」
「いや、私もそうしたいんだが、何せ立場が立場だしな。
ギルドを離れるわけには基本、いかないんだよ。」
「………じゃあ、他にどんな手があるんですか?
まさか、俺に商人や貴族になれってんじゃないでしょ?」
「ははは、そんなに噛み付かないでくれ。
それは私も合理的ではないと思っている。」
「じゃあ、俺にギルドを作れと?」
「まぁまぁ落ち着いて話しを聞いてくれ。」
ミルガントの遠回しな物言いにシレンが若干イラついた時だった。
「魔法学園に入らないかい?」
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